皆に「バカ正直」、「うるさい」、「ただの馬鹿」と言われてきました!


いや、全く!全く褒められてないけど!
でもそれでいいの。明るいのが私の取り柄なんだから…!


 一歩一歩坂を登って行く。
結構足に来る。どういう神経してんだこの学校は…!


「も、萌々。ちょい、休け、い」

途切れ途切れに話す優。ほんっと情けない!
黙ってればいいのに。


顔も整ってて色白。ぱっちりしてるけどどこか優しげな目。無駄な脂肪や筋肉の無い綺麗な身体。さらさらの黒髪…
間違いなくモテる体質の持ち主だ。


ただ無駄に私と同じくうるさいくせに
体力が無いのがちょっとね。 


それに比べて私は、
癖のかかった栗色の髪に、伏し目がちな目、背は高めで極めつけに…


胸。これがコンプレックス


皆には羨ましがられるけど私は嬉しくない。
恐らくDはあるだろう。

ブラウスとか夏に着てたら男子の目線がキツい…

優以外。
優はそういうの気にしないみたい。


今まで私の胸見て照れたこととか無いと思う。むしろ…無関心?


いやいいんだけどね。うん。ありがたや。

「うぉぉぉついたぁぁぁ校舎ぁぁぁぁあ!!」
やっとのことで坂を登り切った。


「帰る…俺もう…帰る…」
優は死にかけてるなぁ…
まあキツイよねこれは。