からっぽ。

私とは繋がれなかったその手が、あの子とつながっている。


私に向けられなかった感情が、きっとあの子には向けられている。


きっと2人は想い合っている。



私は悟った。



彼らは付き合っているんだって。


あの子と幸せになるために、あなたは私との関係を終わらせたんだって。



痛いほど、よく分かった。



遠ざかる2人の後ろ姿をずっと見ていた。



少しだけ、視界が滲んだ。



悲しい。



苦しい。



心が痛い。



でもこれはきっと警告なのだと思った。



決断のときは迫っている、と。


変わらなければならない、と。



私は涙をぬぐった。



涙はそれ以上溢れてこなかった。





過去に抱かれて眠るのは、もうやめにしよう。