それからトモキは、マスターが入れてくれたコーヒーを飲みながらヒロと向かい合っていた。

ヒロは何を話すでもなく、トモキの顔を見てニヤニヤしている。

「あのー…ヒロさん?」

ついに痺れを切らしたトモキが、ヒロに話し掛けた。

「いやー、わりぃわりぃ。何はさておき…なんちゅうか、アレだ。今日は前のライブの時と、えらく違ったな。」

「えっ?」

「オマエらのバンドのライブは、前から何回も観てる。ここのマスターとは古い仲間でな。」

「はぁ…。」