「又四郎君!遙にプレゼント買って上げた?」


市井カナは又四郎に詰め寄る。


「ぷ、ぷれぜんと?とは?」


「何言ってるの?プレゼントだよ、プレゼント!遙の誕生日だったでしょう!」


「あ、確か忠明が甘くて白い菓子を買ってきて、おめでとうとか言っていたな。」


「それだよ!誕生日ケーキ!忠明さん、他に何か買ってきて居なかった?」


「ああ、箱のようなものを渡していたな。」


「プレゼント〜!それがプレゼントなの!」


「ほほう、ぷれぜんととは、箱を渡すことなのか。」


「ち、ちが〜〜う!!」



昼休み。
又四郎と、カナは屋上でこんな話をしていた。

遙は雑用があり、屋上には来ていない。



「よし、又四郎君。明日の休みに買いにいくよ、プレゼント!」


「あ、明日とな!?」


「そ、明日。」


「いやいや、全然銭がないぞ、わしは。」


「えっ、本当に!?お小遣いとか貰って無いの?」


「金など貰ったことはない。」


「ええっ!?どうやって生きてきたの?」


「ふははは。何を言っている。わしらはもう死んでいるぞ。」


「だから!死んでないって!!」

「とにかく又四郎君!明日は私とお出掛けね。遙に内緒で!!」


「まあ、良かろう。で、何処にいけば良いかな?」


「駅で、いいかい?10時ね。又四郎君。」


「ああ、明日10時に駅だな。解った。」



と言うわけで、カナと又四郎は明日の休みに、遙の誕生日プレゼントを買いに行く事になった。




放課後、又四郎と遙は剣道部に行く。


又四郎は昨夜の気絶を覚えていない。

遙はいささか口数が少ない。


自分の胸に聞いてみろ。
で、ある。