「みんな、集まって。」

一通り練習が終わって、遙は部員を集める。



「実は、もうすぐ文化祭が有るんだけど、同好会の宣伝を兼ねて何かやりたいと思うんだけどどうかな?」


遙は皆に意見を聞く。


「遙殿。ぶんかさいとはそもそも何なんだ?」


又四郎は遙に聞く。


「えっと、クラス単位で出し物を考えたり、部活の研究発表をしたり、解りやすく言えば学校でお祭りをする事かな。」


遙は答えた。



「なにっ!お祭りとな!神輿や屋台、その類いも出るのか?」


又四郎の目が輝く。


「お神輿は流石に出ないけど、屋台は何処かのクラスがやるかもね。」


「・・・。なんだ・・・。神輿は担がないのか・・・。」


残念そうに又四郎は言う。


「高柳君。私達のクラスはお化け屋敷だよ。」


瀬戸が又四郎に言った。

「ぬ!?お化け屋敷?やるのか?初めて聞いた。」


「あなたはいつも寝ているから解らないのよ。」

瀬戸はイヤミを込めて又四郎に言った。



「で、私達の同好会は何をしようと言うの?」


乙女が遙に聞く。



「う〜ん・・・。今までの剣道部は模範演武と言って、公開練習をやっていたみたいだけど、この人数じゃ少し寂しいよね・・・。」



「見せられる程、私なんか上手じゃないし・・・。」

瀬戸はポツリと言った。


「じゃあ、演劇でもやる?」


不意に沖田は言った。



・・・。



「沖田君、それ面白いかも。」


平賀が言う。


「うん。今ならステージ使用間に合うし。」


瀬戸も頷く。



「ち、ちょっと待ってよ!
シナリオとか、衣装とかどうするの?クラスの出し物もあるし、時間が足りないよ。」


乙女が割って入る。


「伊東さん。僕に考えがある。」


平賀が珍しく意見を通してきた。



「殺陣だよ殺陣!見せるチャンバラだよ!」



・・・・・・。



全員が沈黙する。



『チャンバラ〜っ!!??』



次の瞬間、全員が声を揃えた。



「で、チャンバラとは?」


又四郎が平賀に聞く。



「解らないで言ったのかよ・・・。」


沖田は溜め息をついた。