あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


「まず、一緒に買い物付き合ってとか」
「うんうん」


朱は、首を二回。縦にコクり、コクりと頷かせる。


「お金払ってとか」
「うん?」


お金?今度は、首を頷かせるのでは無く横に傾けた。彼女にお金をせびったと言うことだろうか?


「あと、お金貸してとか」
「……」
「……」


ここまで聞いて朱とじゃっかん空気と化していた秀俊はぐっ……と押し黙った。
つまり、これは……そういうこと、だろうか。