4月28日。

ついに、イースター祭が始まった。

男子は黄緑のTシャツ。
女子は桃色のTシャツに包まれ、学園全体が鮮やかな色で統一される。

至る所に、絵が書いてある卵が置かれ、
一人一人、個性が溢れる作品になっていた。

俺たちも、ライブのため、音楽室で最後の確認をしていた。

「んじゃ、オッケーかな。」

「さっき、まさやん、音間違えたでしょ(笑)」

「えっ、ごめん。」

「そういう、奏詩もだけどなー(笑)」

「うるせー(怒)」

正直、緊張するけど、こいつらのお陰で、和んでいる。

後、数分で俺たちの番。

深呼吸をしながら出番を待つ。

「さー、お待ちかね、我が学園のアイドル
軽音部、king snowーーーーー!!!!」

司会の合図で、円陣を組む。

「出番が来たよ!!」

「さあ、みんな、思いっきり暴れようぜ!」


「おーーーーー!」

俺の合図で一斉に、手を挙げ

俺たちは、ステージへと、飛び出した。


「きゃぁぁぁぁーーーー♡♡♡」

鳴り響く女子の声。

俺はいつものように、始める。

「みなさん、初めまして!(ニコッ)
king snowのボーカルこと、夏目です!
喧嘩上等、弱いもの虐めは嫌い。
仲良くして(笑)」

「きゃーーーーー♡夏さまぁ!」

「はーい、次は俺の番☆(ウィンク)
king snowのギターこと、奏詩でーす!
面白いこと大好き!可愛い子大好き!
もちろん、仲良くしてくれるよね?♪」

「もちろんだよぉーー♡♡そうたん♡」

「僕の番かな。(微笑む)
king snowのベースこと、正樹です!
勉強好き、みんなの笑顔が好きです!
仲良くしてください!」

「いつでも紳士ー♡♡まさやん♡」

「はい、我で最後かな(ピース)
king snowのドラムこと諒太です!
けっこう、おっさんだから、渋いの好きな人おいで(笑)
大人の色気、魅せてやるよ(ニヤッ)」

「魅せてー♡♡りょーさん♡」

「んじゃ、自己紹介も終わったし、新曲を披露したいと思います!」

「きゃーーーーー♡」

「聞いてください。儚。」



『君は今 笑顔でいますか?

俺は今でも君が ………… 好きだよ。

出会ったとき、運命だと思った。

何気ない君の表情に、頬は穂香に赤くなる

つのっていく想いは、儚い桜のようで

ヒラリ舞っては散っていく。

叶わない恋なら しなけりゃよかったな。

だけど君を見ると 止まらないよ。


好きだよ 側にいたいよ 一緒に笑ってよう

隣にいれなくても、それでもいいから

嘘をつく心に ただの“ 友達 ”でいいと

ほんとは君の特別に

なりたかったくせに。 』


「きゃーーーーー♡夏さま愛してるー!」

「ありがとうございましたー!」

たくさんの拍手に、女子の黄色い声。

そして、微かに聴こえた、あのこの声。

俺は必死に探した。



そして、



見つけた。