ふわり。
髪に感じた温もりに驚いて顔を上げると、私の髪に触ったのは私が触れたかった佐伯先生の手だった。
「これ、自分でやったの?」
編み込んでからアップにした髪。
その編んだ部分を崩れないようにそっと触って、佐伯先生が聞いた。
「あ、はい!」
「へえ、器用だね」
感心したような佐伯先生。
髪に神経なんてないはずなのに、そこだけ熱をもったみたいに熱くなる。
佐伯先生に見られているのが恥ずかしくて、でも嬉しくて。
ドキドキする。
少しずつ進むたこ焼き屋さんの列。
この時間が止まればいいのに。
この列が、進まなければいいのに。
そうしたらもっと、佐伯先生と一緒に居られるのになぁ。
「あ、佐伯先生!」
「何でいるんですかぁ?」
きゃあきゃあ言いながら駆け寄ってくるのは、多分隣のクラスの女の子たち。
胸元の開いた服を着ていて、すごく大人っぽい。
…佐伯先生はこういう子が好きなのかなぁ。
「何で水島さんと一緒なの?」
急に向けられた視線の鋭さに、この子たちも佐伯先生が好きなのかもしれないと思った。



