佐伯先生の優しすぎる嘘




そんな佐伯先生がやっぱり好きで、諦められるはずなんてなくて。


きゅっと噛んだ唇。

また膝に顔を埋めたのは、雷が怖いからじゃなくて、涙を隠すためだった。



ねえ、佐伯先生。

大好きです。


どうしたって私は、佐伯先生じゃなきゃダメで。


これはどう考えたって、恋だと思うんです。






チラリと顔を上げて隣を盗み見ると、佐伯先生と目が合った。

たったそれだけのことがやけに胸を締め付けて、苦しくて、切なくて。


久しぶりに合ったその瞳に吸い込まれそうで、目を逸らした。


ごめんね、佐伯先生。

勝手に恋されて、泣かれて、避けられて、散々な迷惑をかけてしまっただろう。


だけどどうしても諦めたくないから、

もう少しだけ迷惑をかけさせてください。






ザーザー降る大雨の音と雷の音は、ヘッドホンのおかげで小さく聞こえる。