午後から大雨。
その言葉を聞いて、今日は早く帰ろうって思っていたのに。
「あ、水島さーん!
このプリントまとめて綴じてくれない?
私ここまで手が回らなくて!」
ほわほわした雰囲気の、女の先生。
面白くて、割と仲のいい先生だ。
そんな先生の頼みを断れるわけもなく…。
教室でプリントを4枚まとめて、ホチキスでパチン、と留める。
そんな作業をしているうちに、雨脚はどんどん強くなっていった。
ああ、どうしよう。
急がなくちゃ。
ざあっという音が次第に大きくなり、雨粒が壁に当たる音がうるさい。
私の作業もそれにつられて早くなるけど、山積みになったプリントは終わる気配を見せてくれない。
ああ、もう、早くしなくちゃ…。