佐伯先生の優しすぎる嘘





「ごめんね、えーと…」

「水島です」

「水島さんね!佐伯先生と仲良いの?」




資料室に向かって歩きながら、高坂先生とそんな話をする。



「…仲良いわけではないです…」



「そうなの?モテるでしょ、佐伯先生」



「あはは、そうですね」




…正直、今は佐伯先生の話はしたくないけど、そんなこと絶対に言えない…。



資料集を数冊持って資料室を出た。




「大学の時ね、すっごく美人の彼女がいたんだよ」



懐かしそうに語る高坂先生に、ちくりと胸が痛む。


…いるよね、彼女くらい。
でも過去形ってことはもう別れたのかな。

…すっごく、美人さんなのか。




「もうお似合いのカップルでね!
彼女さんは佐伯先生より1歳年上で。
本当に憧れのカップルだったんだぁ」



年上。


佐伯先生の好きなタイプは…年上。