佐伯先生の優しすぎる嘘





「でも、それでも…っ、

その人しかいない場合はどうしたらいいですか…?」




もう、それは告白みたいなもので。

だけど好きって言ったら、本当に終わりを告げられてしまうような気がして。




「恋と憧れはよく似てるけど、
全然違うものだと思うよ」





先生、


先生、


それが答えですか?


先生、私の気持ちすら否定するんですか?



先生、恋かどうかは、自分で決めるよ。


…高校生だって、まだ子供だって、17年間しか生きてなくたって、



恋かどうかくらい、分かるよ。



佐伯先生を見たら心がふわっとして、

ふとした事で泣きたくなって、

佐伯先生に触れたいって手が勝手に動いて、

足はいつだって佐伯先生のもとに向かう。



それくらい、全身が、恋だって言ってるんだよー…。