佐伯先生の優しすぎる嘘




「図書室でふたりきりなんて絶対なんかあると思うんだけどなぁー。
そうだ、メイクして行きなよ!」



「ええっ」




私は出かける時はすることもあるけど、普段はカラーリップとマスカラくらいしかメイクをすることはない。



「はい、じっとしててー」



私の返事も聞かずにメイクポーチを取り出す夕羽。


……。




「できたー!
ついでに髪もやって、制服もちょっと変えよう!」





…こうして。



いつもより少し短いスカートと、緩めたネクタイ。

ストレートの黒髪はコテで巻いた。


メイクは、大人っぽい赤リップ。

まつ毛がくるん、としてる。




「すごいね、夕羽…」



鏡を見ながらびっくりする。
なんか別人みたいだよ…。