「水島さんってさ、いつも危なっかしいよね」



「え…」


「何かいつもピンチじゃん。
心配で、目離せない」



「っ…」



キュンキュンしてしまう胸。

迷惑かけて申し訳ないのに、嬉しくて仕方ない。



だったら目、離さないでください。

私だけ見ててくれたらいいのに。


…ああ、帰りたくない。

佐伯先生を独り占めできるなら、一生風邪ひいてたって構わないのに。


…なんて、無理に決まってるけど。


夢みたいな時間は、すぐに終わりを告げる。




「佐伯先生、水島さん大丈夫ですか?」



入ってきたのは隣のクラスの担任の先生。




「ああ、熱っぽいですね。
もう帰りますか?」


「はい、バスの席は佐伯先生の隣に座らせてください」



「わかりました」





え、嘘、佐伯先生の隣!?

思いがけないハッピーに、思わず顔が緩む。