佐伯先生の優しすぎる嘘





「先、生」


「ん?」



「何で、来て、くれたの…?」



「風邪ひいてたのは、気付いてたから。
休ませようかと思ったけど、肝試し出れないのも辛いだろうと思って。

…でも、倒れることになるなら休ませれば良かったね、ごめんね」



優しすぎる佐伯先生の言葉に、涙が溢れて止まらない。




「ごめ…なさい…私、迷惑ばっかり…っ」



迷惑がかけたいんじゃないのに。

佐伯先生が助けてくれるのは嬉しいけど、それはどうしたって佐伯先生の負担にもなっているわけで。



百合ちゃんと喋ってる時よりも穏やかな話し方に、少し安心する自分がいるけれど。



そんなの、私の自分勝手だ。