連れていかれるままに歩いていると、佐伯先生はバスから自分の荷物を取り出した。
「はい、サイズ合わなくても我慢ね」
そう言って、佐伯先生のジャージとTシャツを貸してくれた。
ジャージは、私たちが履いてる学校指定のじゃなくて、黒地に白のラインのすごくカッコいいデザインで。
「え、いいんですか…?」
「うん。本当は俺もジャージにした方がいいんだけど、ジャージ似合わないんだよね。
だから水島さんが着てたら俺が着れないのもしょうがないことになる…といいな」
冗談っぽく笑いながらそんなことを言うけど、それも優しさだって分かってる。



