佐伯先生の優しすぎる嘘






いいの?




また佐伯先生の彼女になれるの?







思いっきり抱きつくと、強く抱きしめ返される。



嬉しくて、嬉しくて、幸せで。







「っ、大好き…」




「俺もだよ」





「私でいいんですか…っ?」




「杏奈がいい」







もう一度、触れることのできた唇。


もう一度、感じることのできた体温。




もう、あの頃の私たちとは違うから。


遠回りしたけど、私たちの選択が正解だったのかわからないけど、

今度はお互いを幸せにできる。



何年後の未来も、佐伯先生と一緒にいたい。


特別なことなんて何もいらないから、2人で笑っていたい。


そんな未来を、絶対につくっていける。




似ている私たちだからこそ、きっと。



幸せになってほしいから、



絶対に、私が幸せにする。




そして私も佐伯先生に


幸せにしてもらうんだー…。







私たちを、去年より少し暖かく感じる春の風が包み込んでいた。