「私、将来の夢見つかったんです」
「へえ、何?」
「佐伯先生みたいな、先生になりたい」
やっとこっちを向いた佐伯先生は、眉を下げて笑った。
「俺なんかよりずっといい先生になれるよ」
ああ、好きだなぁ。
この笑顔が、好きだなぁ。
でも、その気持ちは、この場所に置いていくんだ。
好きでも、大好きでも、もう終わりなんだから…。
そう思ったら本当に胸が苦しくて、溢れる涙が止められなかった。
慌てて手の甲で拭うけど、後から後から溢れてくる。
気付いているはずだけど気付かないふりをしてくれる佐伯先生は、やっぱり、優しい。



