佐伯先生の優しすぎる嘘





そして一度外に出て、ヒマワリの花壇。




夏の間鮮やかに咲いていたヒマワリはもうなくて、また次の季節を待っている。



桃果が佐伯先生にラブレターを渡して、見つかって。


私が庇おうとしたら、佐伯先生が怒ってくれた。


何で怒られたのか分からなくて、さらに怒らせちゃったんだよね。




あの時、佐伯先生だって自分のことを考えてなくて。


私たちのことばかり心配してくれたんだな。



今年のヒマワリも、見られたらいいのに。



佐伯先生と一緒に、見れたらいいのに。




太陽の光をキラキラに浴びて、輝く黄色は今はここにはない。



佐伯先生も、ここにはいない。