佐伯先生の優しすぎる嘘





「杏奈、卒業しても遊ぼうね!?」


「当たり前でしょ、夕羽とはずっと親友でいるつもりだから!」


「杏奈ぁー!」



ぎゅー、っと夕羽が抱きついてきて、そして耳元で




「そうだ、佐伯先生のところ行かなくて良いの?」



なんて囁いた。




「…行くけど…」



「うん、頑張れ」





力強く頷く夕羽に見送られ、写真を撮ったり喋ったりしに中庭に向かうみんなとは逆に、校舎に戻る。






でもその前に、行きたい場所があった。