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「桃果、ご飯何がいい?」
あれからすぐに春休みに入って、佐伯先生とは顔を合わせていない。
親が仕事でいないのでご飯を作ろうと、桃果にリクエストを聞いてみたんだけど…。
「私が作るからいいよ!」
「…え?」
今まで桃果の口から聞いたこともない言葉に、思わず聞き返した。
「お姉ちゃんは休んでて!」
「え、どうしたの?何かあった?」
割との本気で心配になって聞くと、思いもよらない答えが返ってきた。
「佐伯先生にね、お姉ちゃんにばっかり頼りすぎるなよって言われたの。
たまには桃果から助けてやれって」
「っ…」
「ごめんね…お姉ちゃんが優しくて、何でも出来るから甘えちゃってた。
これからはお姉ちゃんのこと助けてあげるからね!」
へへ、と照れ臭そうに笑う桃果に、私も笑った。
「よーし、たらこパスタ作るぞ!」
早速パスタを出してきて、いきなりフライパンに麺を入れた桃果。
「…え!?ちょ、待って!」
慌ててフライパンからパスタを救出して、火を止める。



