詩織さんと別れてから家に帰って、ベッドの上でため息をついた。
幸せすぎる、1年間だったと思う。
片想いも。
佐伯先生に想いが通じたのも。
佐伯先生が私を好きになってくれたのも。
ドライブしたのも、イルミネーションを見に行ったのも。
キスを、したのも。
全部全部、奇跡みたいに幸せだった。
佐伯先生と付き合ったことに後悔なんか1ミリもなくて、むしろ幸せで。
だから本当はこれからも離れたくないし、ずっと一緒に居たい。
佐伯先生の優しさに甘えていたい。
だけどそれは佐伯先生の幸せじゃないんだろう。
私は、佐伯先生に無理させてしまう。
優しさ故に無理ばっかりしてしまう彼を、支えられる力がない。
佐伯先生はせっかく私を選んでくれたけど、でも…。
…良いじゃん、短い間でも、幸せすぎる時間を過ごしたんだから。
だから、そろそろ、佐伯先生の幸せを願う時なんだよ。
私はもう十分幸せをもらったから…。
そう思うのに、どうしても佐伯先生が好きな私はやっぱり子供なのかもしれないね。



