野菜を切って、カレールーと一緒に鍋で煮ると、カレーの匂いが鼻をくすぐる。
「お、美味そうじゃん」
そんな声に顔を上げると。
「佐伯先生!」
「俺どの班から貰ってもいいんだけど、ここのカレーにしようかな」
先生たちはどこかの班からカレーを分けてもらうことになっているらしい。
私たちの作ったカレーを、食べるの?
急にドキドキして、もっと丁寧にニンジンを切ればよかった!と後悔する。
「ご飯炊けたぞー」
男子の声に、鍋の火を止める。
ご飯とカレーをお皿に盛り付けると、想像以上においしそうなカレーライス。
「え、俺らの班のすげー美味そうじゃね?」
「早く食べようぜー!」
うん、うまくできた!
「はい!佐伯先生」
特別綺麗に盛り付けたカレーを佐伯先生に渡す。
「おー!美味そう」
みんなで食べるカレーはすごく美味しくて。
佐伯先生が近くにいるカレーは、もっともっと美味しかった。