佐伯先生の優しすぎる嘘




「まさか、本当に知らなかったの…?」




「っ…」




「私、2月14日に会いたいって言ったの。


でも蒼、その日は杏奈ちゃんと過ごしたいって…


杏奈ちゃんは誕生日だってこと知らないと思うけど、一緒に居られるだけでいいって…


でも、本当に知らないなんて信じられない!」





なに、それ…。

全然、何にも、知らなかった…。





佐伯先生は誕生日に私と過ごすことを選んでくれてたの?


一緒に居られるだけでいいなんて、思ってくれてたの?



それなのに私はー…。





自分のことばっかり考えて。


詩織さんにヤキモチばっかり妬いて。


大人になろうと背伸びばっかりして。




一番大切な物が、見えてなかった…?