あれから、佐伯先生とは気まずいまま3月に入った。
風が暖かくなっても、私たちの距離は開いたまま。
「テストの結果返すよ」
いくら気まずくても毎日顔を合わせなければいけない、担任の佐伯先生からテスト結果を受け取る。
「…」
見事に下がった成績。
今回のテストは、全然集中して勉強できなかったからなぁ…。
高校2年生の3学期ということで、みんなもすごく頑張ったんだろう。
10番くらい一気に下がったクラス内順位にため息をつく。
…佐伯先生、順位見たよね?
どう、思ったんだろう…。
そして嫌なことは続くもので。
「杏奈ちゃん、ちょっといい?」
帰ろうと校門を出た時に、詩織さんに呼び止められた。
何で、会いに来るの…?
そんなモヤモヤに胸が痛む。