それから佐伯先生は、私たちが付き合っていること、今日佐伯先生が倒れたこと、私がご飯を作りに来たことを驚くほど手短に話した。
そんな適当さに慣れているのか、それとも詩織さんの対応力が高すぎるのか。
動揺しながらも詩織さんは、何とか状況を飲み込んだらしい。
「…うん、わかった。
言いたいことは色々あるけど、とりあえず蒼はちゃんと寝なさい。
杏奈ちゃんは私が車で送るから」
「え…」
「それで戻ってきたら残りの家事とか、明日のご飯とか作る。
蒼、車のキーかして」
1人でどんどん話を進める詩織さんに、今度は私たちが唖然とする。
「ほら、行くよ、杏奈ちゃん」
言われるがままに佐伯先生の車に乗せられ、詩織さんが運転席に座る。
「あ、免許は持ってるから安心して」
いや、そういう事じゃなくて…!
もちろん免許持ってなかったら問題外だけど!
詩織さんの考えがわからないまま、気付いたら発進していた車。
可愛らしいイメージの詩織さんの運転姿は、なんて言うかギャップがあってすごく大人だなぁと思った。



