佐伯先生の優しすぎる嘘





「…あの、ちゃんと寝てますか…?」




少し疲れているように見えたから、聞いてみる。



「寝てるよ」



そう笑った佐伯先生が腕時計を触ったのは、絶対に無意識で。




「…寝てないじゃん」




「え?」




「何か、できることないですか?
手伝えることとか…」



「…じゃあ、どこか行こうよ」




「え…」



「来週末には仕事も落ち着くし、どこか行こう」




そんなことが佐伯先生の力になるの?

私と出かけるだけで、元気になれるの?



またいつもの優しさなのかもしれないけど、すごく嬉しくて。


はい、と勢いよく頷いた。





「じゃあ、また後でね」




頭をポン、として部屋を出て行った佐伯先生に、やっぱりキュンとしてしまった。