佐伯先生の優しすぎる嘘





次の日の昼休みも、私は進路指導室にいた。


1人で大学案内を見ながら考えているけど、答えは全然見つからない。





ガラッ



不意に開いたドアに目を向けると、佐伯先生がいた。



「お疲れ」




缶のココアを私に渡して、自分も缶コーヒーを開けて飲む。



「ありがとう、ございます…」


一口飲んだココアの甘い味が口いっぱいに広がった。




「あと、これ良かったら見てみて」



そう言って渡されたのは十数枚のプリント。


「え…」



いろいろな大学の特色とか、卒業生の進路とかが、綺麗にまとめられている。




「え、佐伯先生が作ったんですか?!」



「うーん、作ったっていうか…まとめただけだけど」




まとめるのだって、きっと時間がかかったはずで。

私のためにそこまでしてくれるのが嬉しいけど申し訳なくて。





「ごめんなさい…ありがとうございます…」




「生徒が本気で悩んでるならと思って何かしたかったんだけど、これくらいしか思いつかなくてさ」



はは、と笑う佐伯先生の優しさに、泣きそうになる。