佐伯先生の優しすぎる嘘







「…ちゃんと考えます。
進路調査、また今度提出でもいいですか?」





向き合わなきゃいけない。

いつまでも、甘えていられるわけじゃない。




「うん、迷ったらいつでも相談乗るから」




そう言って進路指導室を出て行く佐伯先生の背中を見送った。





東京の大学に行くべきなんだと思う。


客観的に見たら、不安定な高校生の恋愛に自分の進路を委ねていいわけがない。




だけど、私にとっては一生に一度の恋だと思っていて。


佐伯先生の他に好きな人なんかできないだろう。


でも、その気持ちが佐伯先生の負担になってたら?


詩織さんといる方が、佐伯先生を幸せにするなら?




「はぁ…」





大学のパンフレットをパラパラとめくりながら、ため息をつく。



悩むばかりで、何も決まらない。

どうしたらいいんだろう…。