佐伯先生の優しすぎる嘘




息が止まりそうで、心臓がうるさくて、くらくらする。




「どうしてほしい?」





左耳に囁かれた声に、ビクッと肩を震わせる。

吐息が、耳にかかる。

佐伯先生の髪が、首筋に触れる。


綺麗な唇が、弧を描いて笑う。



いつもの優しい佐伯先生とは違う、色っぽくて大人な“彼氏”がそこにいた。






「っ、意地悪…」




きゅ、と佐伯先生のシャツを握るけど、佐伯先生は私の気持ちに気付かないふりを続ける。




「言わなきゃ分からないよ」


「…して」


「ん?」




「キス、して…っ」





きっと顔は真っ赤だ。

耳まで、熱い。



満足げに笑う佐伯先生は、



「良くできました」



なんて“先生”みたいな台詞を口にして、私の唇を塞いだ。