佐伯先生の優しすぎる嘘





「ねえ、佐伯先生?」



静かにエンドロールを見ていた佐伯先生は、割と感情移入しながら見ていたんだと思う。




「…遠距離恋愛って、どう思う?」





私が東京に行ったら、どうする?


私たちはどうなるんだろう。





佐伯先生は少し考えてから、






「お互いを本当に信じ合える2人なら、上手くいくんじゃない?」




って言った。



その意味が分かるようで分からなくて。

確かにその通りだけど、私たちは?


佐伯先生が遠距離恋愛をどう思っているのかは分からない。




「面白かったね」



「ですね!」



今は考えたくない。


佐伯先生の家に2人きりで、幸せな時間だから。



「映画館デートとかもいいね」


「卒業したら行きたいです!」


「ん、そうだね」




そういう未来の約束が嬉しい。

佐伯先生と映画館に行くのを想像しただけで、頬が緩んでしまうのは仕方ないと思う。