「…佐伯先生いらっしゃいますか?」
放課後。
学校が終わってすぐ、近くのコンビニまで走った私は、クリームパンとメロンパンを買って職員室まで走った。
佐伯先生はいつも夜遅くまで仕事をしてるから、きっとご飯を買いに行く暇もないと思って…。
「おー、水島さん」
どうした?とパソコンから顔を離してこっちを向いた佐伯先生に、またキュンとする。
「あの、パンを…」
コンビニの袋に入ったパンを差し出す。
「え、買ってきてくれたの?」
「はい、あの、すみませんでした…」
佐伯先生に好かれたいのに、大人になりたいのに、これじゃあ迷惑かけてばかりだ。
「ありがとな、助かったよ」
お金を払おうとする佐伯先生を、必死に拒否した。
そもそも私が先に貰ったんだから、お金を貰う意味がわからない!
「ちょっと、今食べていい?」
少し恥ずかしそうに聞く佐伯先生に、思わず笑ってしまう。