佐伯先生の優しすぎる嘘






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「…」

「…」




…どうしよう、気まずい。

何か話した方がいいのかもしれないけど、話題が見つからない。




コンビニの前のフェンスに寄りかかって肉まんを食べる私の隣には、あんまんを食べる詩織さん。


どうして究極に気まずいこの状況になっているかというと、単純に、ついさっき校門で会ったからだ。



会ったというか、校門で詩織さんが待っていたというか。

佐伯先生に会いに来たらしいけれど、佐伯先生は午後から出張に行ってしまったことを伝えると、



「そっか…ねえ、あんまん食べたくない?」



なんて言われたわけだけど、状況がさっぱり分からないし、私は特にあんまんも食べたくなかった。


だから肉まんを食べていて…って、そんなことはどうでもよくて。





「そうだ、名前言ってなかったね。

私、北垣詩織です」



「あ、水島杏奈です」



北垣詩織さん、っていうのか。



「杏奈ちゃん、急に誘ってごめんね」




眉を下げて、少し申し訳なさそうに笑うのが少し佐伯先生の笑い方に似ている。