たくさんの人がイルミネーションを見に来ていて。
手を繋いだり、抱き合ったり。
本当は、堂々と一緒に居られるのが少し羨ましかったりして。
だけど、隣には佐伯先生がいる。
誰にも秘密の2人だけの時間っていうのも、ドキドキして、幸せで。
「メリークリスマス」
その言葉に振り向くと、そこにはウサギのぬいぐるみを持った佐伯先生。
耳の先が薄いピンクで他は白。
「可愛い!」
すごく可愛くて、パァッと明るくなる私の顔。
「ごめんね、こんなデートしかできなくて」
ウサギの後ろに、眉を下げて少し寂しそうに笑う佐伯先生。
「え…そんなことないです!
私今日、世界でいちばん幸せな自信あります!」
勢いよくそう言うと、ありがとう、と笑ってぬいぐるみを私にくれた。
「それ、なんか水島さんに似てるなぁと思って」
思わず買っちゃった、なんて言う佐伯先生が好きで、本当に大好きで。
こんな可愛いぬいぐるみを見て私に似てるなんて思ってくれる人、佐伯先生しかいないと思う。
「ありがとうございます…!」
えへへ、可愛い。
ぬいぐるみを撫でていると、首元にキラリと光ったそれに気付く。
「あれ…」
ウサギの首についていたのは、ピンクゴールドのハートのネックレス。
「これ…」
「うん、プレゼント」
「っ、嬉しい…!
ありがとうございます!」
ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめる。