佐伯先生の優しすぎる嘘






「お疲れ様です!」


そう言って佐伯先生の隣、助手席に乗り込む。




「夜に車でイルミネーション見に行こうかと思ってるんだけど、それまでどこか行きたいところとかある?」






イルミネーション…!

車でっていうのは、誰かに見つかるのを心配している私に気づいてくれたんだと思う。


うーん、それまでに行きたいところ…。


そうだ!






「佐伯先生の家に行ってみたいです!」


「え…そんなところでいいの?」



「先生の家、見てみたいです…」





そう言うと少し考えてから、わかった、と言って車を走らせた。


車を運転する佐伯先生の横顔はいつ見ても格好良くて。

そんな姿を独り占めできるこの助手席が、私だけの特等席だったらいいなぁ。




しばらくして止まった車に目の前を見ると、まだ新しそうで綺麗なマンション。





「ここですか?」


「うん」




先に降りていた佐伯先生がドアを開けてくれて、ドキドキしながら車から降りた。