「そうだ、クリスマスみんなでパーティーしない?」
「いいね!」
「やりたい!」
その提案に、女の子たちが続ける。
「佐伯先生も!」
「クリスマスに会えるとか最高!」
え…、佐伯先生も?
クラスのみんなでクリスマスパーティーなんて楽しそうだし、佐伯先生も一緒なら尚更だけど…。
でも…。
「ごめんね、デートだから」
たまに見せるその大人な笑顔で、そう言った佐伯先生にみんながきゃー、と騒ぐ。
「彼女いるの!?」
「どんな人!?」
その質問に少し考えてから、
「秘密」
秘密、って言った瞬間。
一瞬だけ合った目にどうしようもなくドキドキする。
昇降口に戻るすれ違いざまに、私の髪についていたらしい雪を優しく払ってくれる。
「風邪引くなよ」
誰にも聞こえないくらい小さな声で、私の耳元で囁いた。
耳にかかった吐息に息が苦しいくらいにドキドキする。
「ちなみに私と杏奈もパスね」
夕羽がそう言ってふふ、と私に向かって笑う。
こうやって自分のことみたいに嬉しそうにしてくれる夕羽が大好きだ。
楽しみだな、クリスマス!



