佐伯先生の優しすぎる嘘






「あっ、佐伯先生だ!」




駐車場から出てきた佐伯先生が、元気だなぁと笑っている。




「佐伯先生もやりましょうよ!」


「えー、やだよ」





そそくさと逃げようとする佐伯先生に向かって、手に取った雪の玉を投げつけてみる。




「うわ、ちょ、この至近距離はずるいでしょ!

シャツの中に雪入った!」




中に入れようとか狙ってないけど、私、雪合戦強いのかもしれない…!

冷たそうに慌てる佐伯先生が可愛い。





「やったな?」




ニヤリと笑う佐伯先生は、雪を手に取って私に向かって投げた。






「きゃー!痛い、骨折れた!」





雪玉が当たった腕を大げさに抑えると、



「それは骨粗鬆症なんじゃないの?」




カルシウム取ったほうがいいよ、なんて言う先生が可笑しくて。






「俺も佐伯先生狙うわ!」


「いや、やめろよ!」





あっという間にみんなに雪を投げられる佐伯先生は、やっぱりみんなから愛されていて。


仕返しに雪を投げ返す無邪気な顔も可愛くて。



こんな風に、みんなに人気者な佐伯先生が大好きだ。

それだけの魅力がある人。



私も佐伯先生に、釣り合う人になりたいな。