佐伯先生の優しすぎる嘘





「…そっか」



「…ごめんなさい」




「じゃあ俺が決めるわ」



「え、でも…」



「…デートしたくないの?」


少し拗ねたような佐伯先生。



「そんなの、したいに決まってるけど…」



「じゃあ予定空けといて」



「…はい!」




デート、できるんだ!

佐伯先生と!


見つかったらどうしようって少し不安だけど、どうしても嬉しさが勝ってしまう。






「あ、次右に曲がったらすぐです」



「ん、わかった」





ハンドルを回して、私の家の前に車が止まった。


…降りたく、ないなぁ。

もっと一緒に、いたいな。





「降りないの?」


そんな心なんか見透かしたように意地悪に笑う。




「…降りてほしいんですか?」



「そんなわけないでしょ」




ああもう、好き。


本当に本当に、好き。