佐伯先生の優しすぎる嘘






道路を走る車のライトで、窓の外がキラキラして。

隣には大好きな人がいて。



…幸せだ。






「ねえ」




不意に口を開いたのは、佐伯先生。





「今度、デートしようか」





眼鏡の奥の瞳は、前を向いたまま。


手で隠した口元。


少し赤いような気がする頬は、気のせいじゃないかもしれない。






「したいです!」




へへ、と笑うと、やっとこっちを見て笑ってくれた。




「どこ行きたいとかある?」




「うーん…」





遊園地、映画、水族館…。

行きたいところはたくさんある…けど。






「分かんない、です…」



行きたいところはたくさんあるけど。

学校の人に見つかってしまうかもしれない。


そんなことで佐伯先生と付き合えなくなるくらいなら、デートできなくてもいい…。