佐伯先生の優しすぎる嘘





佐伯先生だって、そういう子がいいのかもしれない。

…真奈ちゃんみたいに、放っておけない子が好きなのかもしれない。


あそこで素直に「私も佐伯先生と一緒にいたい」って言える、可愛い女の子が好きなのかもしれない。





だけど、私にそんなこと言えなくて。

性格悪いって思われたら嫌だなって、全部飲み込んでしまって。

そんな自分が一番性格悪いのも、ちゃんと分かってるのに…。






「杏奈は可愛いよ」





ずっと黙っていた夕羽が、静かに、でも力強く言った。




「杏奈は可愛いし、1人で生きていけるような強い子じゃない。

誰よりも1番守ってあげたい女の子だよ。

それが分からないような男になんか、杏奈と一緒にいる資格ない。

私が許さない」






そんな夕羽の言葉に、思わず泣きそうになって。




「夕羽大好き…!」



「私も杏奈大好き」




「もう、2人でイチャイチャしないでよー」

「あはは、ごめんごめん」




2人のおかげで少し軽くなった心。


…教室、戻ってみようかな。