佐伯先生の優しすぎる嘘





「…無理するなって言わなかったっけ?」



「…してないですよ」




少し疲れたのでココアを飲んでから答える。


甘くて、温かくて、不思議なくらい優しくて。

ココアってこんなに美味しかったっけな、なんて思った。






「トーナメント表だって、うちのクラスがやらなくてもいいんじゃないの?」


「…」



「どうせ皆が嫌がったから引き受けたんでしょ」



「…ごめんなさい、真奈ちゃんに迷惑かけちゃいましたよね、佐伯先生にも…。

明日からは私1人で…」



「そういうことじゃないよ」



「え…」




佐伯先生は少し眉を下げて、



「お人好し」



って優しく笑った。