佐伯先生の優しすぎる嘘





「杏奈、帰ろ!」




修学旅行明け初めての授業も終わり、帰ろうとする夕羽に謝る。





「ごめん、球技大会のトーナメント表作らなきゃいけなくて…」


「あ、そっか、実行委員か!
手伝おうか?」





夕羽は私が放課後残って仕事をするたびにそう言ってくれるけど、申し訳なくてそんなことはしたくない。





「大丈夫だよ、ありがとう」



「もー、杏奈はいつも1人で無理するんだから、ほどほどにしてよ?」




そう言って帰る夕羽を見送って、生徒会室にトーナメントを組むための用紙を取りに行く。





「あの、杏奈ちゃん」



「真奈ちゃん」



「何、すればいい?」




放課後の教室は私たち2人以外に誰もいない。


吹奏楽部の楽器の音とか、軽音部の演奏とか、運動部の掛け声とかが響く。





「じゃあ、サッカーのトーナメント組んでくれる?」


「分かった」





お互いに自分の机に向かって作業を始める。

私はバスケのトーナメントを組んでるんだけど…。



各クラスの出場する時間を、他の種目と被らないようにするのが思ったより大変だ。