佐伯先生の優しすぎる嘘





「はぁ…」





夜。
ネックレスと、自販機で買ったお茶を持って部屋を出たはいいけど、佐伯先生の部屋まで行く勇気がどうしても出ない。


先生たちの部屋に行く途中の階段をうろうろしてかれこれ30分。



「うーん…」



佐伯先生の部屋に、行ってもいいんだろうか。


他の先生たちに見つかったら何か言われるのかな。

それとも佐伯先生に用があるって言えばいいのかな。


ううん、何より。


…佐伯先生、怒ってるかな。




すごく心配をかけてしまって。


謝りたいけど、怖い。

佐伯先生、ただでさえ忙しいのにもっと仕事増やして、疲れさせちゃったかもしれない。


うー、ごめんなさい…。






「あれ、」




水島さん?と言ったのは、階段を降りてきた佐伯先生。




「あっ!」



「どうしたの、こんなところで」




ああ、まだ心の準備できてない!


頭が真っ白になってしまう。