佐伯先生の優しすぎる嘘






「これください!」





さっきのネックレスを買って、お店を出る。


やった、買えた!

佐伯先生、どんな顔するかな?


想像しただけで楽しくなって、思わず緩む頬を手で隠した。




よし、戻ろう!





「あ、あれ…?」




どっちから来たっけ?


右、だよね…たぶん…。


あれ、でもあんなお店の前通ったっけ…?




キョロキョロと辺りを見回すけど、みんながいなくなって1人になってしまった瞬間、急に分からなくなってしまった。



「嘘、どうしよ…」




慌ててスマホを取り出して夕羽に電話をかける。



プルルルル…



通話音だけが流れて、なかなか出ない。


気付いてないのかな…?




一度切ろうと思ってスマホを耳から離すと、充電が残り3%しかないことに気づく。



「えっ…」



そうだ、昨日の夜、朝充電すれば大丈夫だと思って充電器を夕羽に貸してて…。


朝、充電するの忘れたんだ。




「嘘でしょ…?」




もう一度夕羽に電話しようとコールした瞬間、切れる電源。


真っ暗になった画面に、途方にくれる。




「え、待って…」





たくさんの人が行き来しているのに、同じ学校の人にすら会わない。

広いから仕方ないのかもしれないけど…。



とりあえず、夕羽たちを探そう!