佐伯先生の優しすぎる嘘





バタバタとドアの方に走る。




「お、お邪魔しました…!」




勢いよく佐伯先生に頭を下げると、ははっ、と笑われる。



「わ、笑わないでくださー…」



そして顔を上げた瞬間。

ちゅ、と軽く触れた唇。




「っ、…」




「ワンピース、似合ってたよ。
いつもより大人っぽくて」






くしゃ、と髪を撫でられて、頭がぐるぐるしたまま部屋を出た。


佐伯先生は意地悪にニヤリと笑う。



「っ、ずるい…」





本当にずるい。



ずるいくらい格好良い。




まだ火照る頬を手で押さえて、自分の部屋へ続く廊下を歩いた。