佐伯先生の優しすぎる嘘





そして2人並んでベッドに座った。



私、佐伯先生の彼女になったの?


きっとしばらく信じられそうもない事実に、自然と頬が緩む。


チラリと隣を見たら、優しく笑ってくれる。


…幸せだ。





「そろそろ部屋戻ったほうがいいんじゃないか?」




腕時計を見た佐伯先生が言う。


「えっ…」



まだ一緒にいたいのに…。

しゅんとすると、立ち上がった佐伯先生がポンポン、と頭を撫でてくれる。


…彼女、なら。

少しくらい甘えてもいいのかな。






「…佐伯先生」



「ん?」




「…キス、したい」




「は!?」




佐伯先生の服の裾をキュッと掴む。



「何言って…」



「か、彼女だから…っ」





どうしよう、自分で言ったけどすごく恥ずかしい…!


かああっと赤くなった顔を隠したくて、うつむく。






「…あのさ、自分の状況分かってる?」



「え?」




「ホテルの部屋に2人きりで、しかもベッドの上でそういう事言うと、何されるかわかんないよ?」





「…っ、か、帰ります!」





やっと意味を理解すると慌てて立ち上がる。


ああ、もう恥ずかしい!

何言ってるの、私!?


違うんだよ、両思いになれて、彼女になれて、ちょっと浮かれちゃって、口が滑ったっていうか…!