佐伯先生の優しすぎる嘘





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「出席とるぞー、浅沼、井口…」


出席をとる佐伯先生は、朝だからかいつもより眠そうだ。

…机に置いたチョコは、食べてくれたのかな。

私の昨日の言葉に、少しでも私のことを思い出してくれたりしたかな。

…してない、か。




「水島」

「はい」



その時、一瞬だけ合った目に。

ただ出席を取っているだけなのに、ドキドキしてしまって。



ああ、好きだなぁ。

本当に、好きだなぁ。



やっぱりそれしか考えられなかった。