佐伯先生の優しすぎる嘘




「はい、200円」



そう言って手のひらに渡された百円玉2枚。



「い、今お釣り持ってないです…」


「あ、いいよお釣りは。
十円玉さっき使っちゃってさ」




佐伯先生がベッドに座ってそう言うから、200円を受け取ることにした。



部屋を見回すと、佐伯先生の荷物とかが置いてあって緊張する。


あ、これ、帰ったほうがいいのかな?

どうすればいいんだろう?




「…座る?」


「え…あ、はい」




自分の座っているベッドをとんとん、と叩く佐伯先生の隣に浅く座った。



っ、だめだこれ。

そう思っても遅くて、どんどん加速する鼓動に頬が熱くなる。


肩が、触れそうで。


2人きりで。



沈黙に、息が詰まりそうだ。