佐伯先生の優しすぎる嘘





「佐伯先生も手伝ってくれますよね?」


「え…」



にこっと笑った生徒たちの笑顔には勝てず、店を手伝ってくれる佐伯先生。



「お待たせしました、抹茶アイスです」


佐伯先生が注文された物を運ぶたび、頬を赤く染める女の子たち。



「やばい、今の人先生なの!?」
「めちゃくちゃカッコいい!」



そうでしょ?カッコいいでしょ?

そう思う反面、少し嫉妬してしまう自分が嫌だ。




私もお客さんになりたい!

そして佐伯先生から抹茶アイスもらいたい!


そこから1時間くらいの間そんなことを考えながら働いていると、ボーッとしたせいで浴衣で足がもつれてしまった。




「きゃ…」




あんみつのお皿を持ったまま転びそうになった時。




「っ、」




いつまでも衝撃を感じなくて、痛みの代わりに、


「ボーッとするなよ」




という佐伯先生の声が降ってきた。

先生の体温に包まれているみたいに支えられて、胸がふわふわと軽くなる。




「っ、ありがとうございます…」




瞬間、きゃあっと盛り上がる教室。


「ドラマみたいだった!」
「イケメン!」
「私も助けられたい…」




急に恥ずかしくなって、慌てて佐伯先生から離れると。