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「杏奈、可愛い!」
ぎゅっと抱き着いてくる夕羽を抱きしめ返す。
「絶対に夕羽の方が可愛い」
文化祭当日。
私たちの和風喫茶の店員の制服は浴衣だ。
私はお祭りの時と同じ浴衣で、髪もほぼ同じ。
メイクだけ前より少し大人っぽくしてみた。
開会式を終え、始まった文化祭。
浴衣が可愛くて格好良いと評判で、私たちが想像していた以上のお客さんが来てくれた。
他校の人から、他の学年の人までたくさん。
中には好きな人がこのクラスにいる人もいるようで、キャーキャー言っている声が聞こえる。
たくさん来てくれるのは嬉しいけど、思ったより忙しい…!
浴衣のせいであまり動けない中、私も頑張って席にお菓子やお茶を運ぶ。
「お待たせしました、抹茶アイスです」
他校の制服を着た男子2人のところに抹茶アイスのお皿を持っていく。
「あ、あの!」
「はい?」
戻ろうとしたところで呼び止められ、驚いて振り返った。
…何か足りなかったかな?
スプーン…は、渡したし…。
「あの、連絡先教えてもらえませんか!」
予想外の言葉に、え、と声が漏れた。
「すごく可愛いなって思ってて、その、彼氏とかいますか?」
「いない…ですけど…」
「じゃあ教えてください!
ひ、一目惚れなんです!」
急に立ち上がって腕を掴まれる。
どうしよう、こんなに真剣に言われると断りにくい…。



